総選挙前から私は日本国民というものは上書き人種で目の前に何か大きな事象がぶら下がってしまうと、そちらに流れ本質を見失う、ということを危惧していた。
現に3月3日の小沢一郎当時民主党代表の公設第一秘書がいきなり難癖付で逮捕され、毎日毎日献金問題のことを流されただけで、それまでの自民党の悪政を見失い、一時は政権交代が危ぶまれるほどになってしまったのである。
まあ、それでも麻生というチキンで稀代の大馬鹿総理のおかげで事なきを得たのだが、もし、あの時点で解散に打って出られたらと思うと本当にゾッとする。
その点では麻生の臆病風が政権交代を導いてくれたと言えないこともない。
政権交代が為されていなければ、来年の通常国会で増税法案が乱立し国民生活はさらに破壊された上に財産を毟り取られる事態を招いたことだろう。
現に今、自民党は従来通り、『人よりコンクリート』の姿勢を貫き通し、国民の支持が高い事業仕分けに難癖を付けた上で、国民救済法案(原爆症基金法、肝炎対策法、返済猶予法)の採決の全てを欠席したのだから、国民を更なる窮地に陥れたであろうことは想像に難くない。
ところで、今年ほど大手マスコミの劣化暴走が促進された年もないのではないだろうか。
野党第一党党首狙い撃ちと野党第一党ネガティブキャンペーンの激化に、インフルエンザや有名女優を使った選挙への関心をなんとか遠ざけようとした姑息手段。
こと産経新聞に至っては、選挙後、あからさまに「でも、民主党さんの思うとおりにはさせないぜ。これからが、産経新聞の真価を発揮するところ」と反民主主義を打ち出したのである。
今も現政権与党の粗探しばかりを誇大し、国民にまともな情報を流さない姿勢はもはやマスコミの大義は世論扇動になってしまったのかと憤りを感じて仕方がない。
前にも書いたけど、今の日本にとって最大の害悪は自民党ではなく大手マスコミである。
なぜ自民党が最大の害悪ではないかというと所詮、野党であり、法案を成立させる力を失っているからだ。
さて、そうなると今後の国民が一番注意すべきは大手マスコミの扇動報道に惑わされるか否かである。
4年連続で総理が変わり、しかもその内の三人は投げ出しで、最後の一人は世界中から失笑を買ったボンクラだったわけだが、今回の鳩山首相は政権交代によって誕生した総理だけに海外からの評価は悪くなく、決して現時点で辞任させるわけにはいかない。なぜなら今ここで鳩山首相を失脚させると今度は世界中から見放される。理由は今、鳩山首相が辞任してしまうとすれば、大手マスコミの扇動に引っかかった世論以外の根拠が存在しないからである。それは既に民主主義国家の放棄を意味するのだ。今回は自分たちが選んだ政権であり首相である。支える責務を背負っているのである。ましてや献金問題が悪と論じる『民主主義国家』は日本だけだ。私自身も献金の何が悪いのか理解できない。別に血税が使われたわけでもないし、受けたのは野党時代であり何の意味もないからである。
今、鳩山政権を失職させてしまうと失笑程度は済まない。世界から完全に孤立してしまう。膨大な財政赤字を抱えている日本は世界初の国家破綻へと向かうことだろう。
それを回避するにはどうすればいいか。
国民は大手マスコミの報道を鵜呑みにしないことしかない。全部が全部間違いとは言わない。中には真実に基づいた記事もあるだろう。しかし、大半は信じるに値しない中傷記事であることや支離滅裂な内容であることを見抜かなければならない。
たとえば、昨日の日経新聞のように内閣支持率68%と書いておきながら、全マニフェスト見直しや閣内不一致など批判項目ばかりを羅列するのはあり得ないのである。
そして大手マスコミの記事を鵜呑みにしないようにするにはどうすればいいか。
これは、新聞テレビ以外で情報を手に入れるのが一番いい。インターネットはその役割を存分に果たしてくれる。
見識家ブロガーたちや海外ニュースなどで、民主主義国家がどういうものかを学び、さらに自分たちにとってどんな情報が一番欲しいものかを知る必要があるだろう。
大手マスコミが一方的に流す情報が本当に自分にとって必要なことなのかどうかを見極めることによって真実も見えてくる。
大手マスコミは鳩山首相の献金問題を毎日のように大々的に取り上げているが、それが本当に国民にとって必要な情報かどうかと問われれば答えは応だろうか。
民主党政権はまだ誕生して間もないし、何もしていないのだから批判すること自体、変な話であることに気づいているのかどうか。
普天間基地問題は民主党の責任ではなく、自民党が訳の分からない契約書を選挙直前に結ぶからややこしいことになっていることを知っているかどうか。
また、先に言ったが、今日、自民党は全会一致で当然の国民救済法案の採決を欠席したのである。それをちゃんと知っているかどうか。
などなど、大手新聞テレビだけでは決して知りえない情報はインターネットを通じて知ることができるのである。
本当の真実が見えてきた時、日本の大手マスコミの虚構もまた見えてくる。
国民が今、求められているものは自分自身での情報収集である。
何が正しくて何が間違っているかをマスコミの判断ではなく、自分の判断でできるようになる大切さ。
政権交代により、如実に今、それが見えているはずなのだ。
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