今日、小沢幹事長について検察審査会が起訴相当という結論を出した。
これで、明日の、というか今日の夜のニュースから日本の大手マスコミは嬉々として、このことを鬼の首を取ったようにはしゃいで伝えることだろう。
まあ、それはともかく、これで今夏の参院選の民主党の惨敗は決定したと言ってもいい。
なぜならこの審査会とは、一般公募で委員が決まり検討した結果で、ということであるから、この起訴相当の結論を出したのは一般国民ということになる。むろん、本当に無作為に選ばれたなら、という前提ではあるが、恣意的に選んだかどうかなんて判断できないんでそれは割愛する。
つまり、ということは一般国民の間では小沢幹事長の土地購入を巡る資金繰りについて、大手マスコミの妄想リークを鵜呑みにしている、ということを決定的にしてしまったわけで、それは裏を返せば、世界中がまるっきり信用していない日本のマスコミを信じていることを暴露してしまったことに他ならない。
前にも言ったけど、小沢幹事長の件は、記載もあるし、2004年が2005年になっていたレベルで書き間違い、罰金で済む話。はっきり言ってしまえば、昨日、不起訴相当の結論が出た鳩山首相のように、書き間違いに関して石川議員が認めていた以上、起訴されること自体、本来おかしなことなのである。
なぜなら、裁判の大原則は原告被告双方の意見が対立したときに法の下で裁くものであって、認めた以上は裁判にかける必要はまったくないからだ。
ところが、大多数の日本人はそう考えない。
別に私は小沢幹事長が潔白だなんて思っていないけど、確たる証拠もなしに印象だけで悪人と決め付けるつもりはない。
んで、その『確たる証拠』を東京地検は1年と血税20億もかけて見つけることができなかったから、1月28日に不起訴にしたのである。なのに、今日の審査会に呼ばれた連中は確たる証拠がないまま、ただただ印象だけで起訴相当という結論を出したことになる。
つまり、大手マスコミの妄言報道を鵜呑みにしていたってことだ。証拠もないのに憶測だけで小沢幹事長を『悪』と判断したってことだ。
そして、これが大多数の日本人の意見なのだろう。
要するに法治国家でありながら推定無罪の意識もなければ、確たる証拠がなくとも状況証拠どころか憶測っぽいものが流されただけで事実すら見失う人種だ。
いったい日本人とは政治に何を求め、何をやってほしいのだろうか、とか考えたことがあるのか?とか思う。
単に誰かを貶めて喜びたい、それが大物であればあるほど喜びが倍増する、というとんでもなく陰険な人種にしか思えないんだけど、はたして、小沢幹事長が辞職して自分たちの生活に何か好影響でもあると思うのか?
何もあるわけがない。単なる正義気取りの自己満足に過ぎない。しかも、その一瞬だけだ。後のことを少しも考えちゃいない。
「将来をよく考えて」なんてのたまっている連中は結構いるが、こういう連中に限って、一番、将来のことを何も考えていないんだ。
今、日本は不況下にある。
そんな状況下なのに、政局騒ぎして、去年、選挙によって選択された政権を転覆させることにどんな意義があるというのか。
ただでさえ、今の日本は世界中からの信頼を、大手マスコミと旧政権が失墜させている。なのに政権交代を否定するような真似をしでかして世界中がどう思うかを少しは考えたことがあるのだろうか。
いや、それだけじゃない。
現政権が転覆するってことは、来年から消費税増税が始まるし、せっかく成立施行された子ども手当てや公立高校無償かも、財源理由に近い将来、凍結されることは目に見えている。社会保障費だって削られるのに、社会保険徴収は増えることだろう。高速のETC割引サービスやエコポイントは時限立法で来年3月にすべてが切れる。
実際、そういう計画を去年、時の麻生首相が発表していたというのにもう、忘れてしまっているようである。
苦難が始まってからでは遅いんだけど、間違いなく始まるまで気づかない。始まってから「なんでこんなことをするんだ」とシュプレキコールを上げるんだろうけど、遅いし身勝手もいいところだ。なぜならそういう風にしてしまうのは、大手マスコミの姦言に乗せられた国民の行動のためだからだ。
私は常々、予知能力者じゃないから先のことなんて分からない、と言ったけど、上記、近未来は予想できるのだ。なぜならそれはこれまでの自民党政権のやり方を見れば明らかだし、参院マニフェストにも増税策は明記されている。
何も増税策がすべて悪い、というわけではない。
しかし日本の増税策はそのすべてが国民に何の恩恵がなかったばかりか負担を押し付けるものだけだから容認できないのである。
消費税が社会福祉を目的としているなら、社会保障費や母子家庭加算を削る必要もなければ、年金額や社会保険を増加させる必要もない。介護保険や後期高齢者医療制度に至っては作る必要もないし、定率減税を廃止したり配偶者特別控除を廃止したり老年者控除を廃止したりする必然性は存在しない。それだけ消費税とは食いっぱぐれなしの税金で、しかもその税収は半端なく大きい。
ところが、日本では消費税を導入しながら所得税や社会保障負担を増やすというあり得ないことが起こったのである。
答えは簡単。そのすべてが大企業減税とアメリカ国債を購入するために消えたからだ。そして大企業は大企業で減税した分の余剰を従業員に還元せず、いやむしろ正社員を切り、派遣やバイト、パートに切り替えてまで人件費さえも減らす施策をとったのである。
だからこそ、日本は疲弊した。その現実を目の当たりにしたからこそ、私は今の自民党を支持する気はまったくないし、その雰囲気が変わっていない以上、政権を託す気も毛頭ない。
ところが大多数の日本人はそういう部分を見ていながらきれいさっぱり忘れてしまって、単に「悪いことしてそうだから」とか「テレビ新聞が言っているから」だけで判断して投票する。特に10年20年先を考える必要がない団塊世代以上はこの傾向が顕著だ。
自分たちは老い先が短いからなんとも思わないかもしれないが、現役世代や子どもたちはこれから何十年と苦痛を味わう羽目になるのである。そのことを少しも考えずに、雰囲気だけで投票権を行使するから、言ってみれば、投票に行かない連中よりも始末が悪い。
今夏の参院選で民主党が惨敗すれば、当然、鳩山首相は退陣せざる得ないだろう。そしてすぐに衆院総選挙があると思われる。ないとすれば、(小沢氏が作り上げた160人を除く)民主党、自民党、みんなの党、改革新党、たちあがれ日本の大連立になる可能性は高い。
舛添総理大臣を就任させて、かなり好き勝手やられる。増税法案はもちろん、私は強く反対する児童ポルノ改悪、インターネット規制法といった、本来規制してはならないものを規制し、取調室可視化法や記者クラブ解体という本来やらなければならないことをやらないことだろう。当然、沖縄普天間基地も現行案で推移されること間違いなしだ。
むろん、こんなことになれば国の信用を失くすので、円安株安の底なし不況が日本を覆う。しかも不況時に増税策を取るのだから産業、生活すべてが破壊されるのだ。
しかも、次回の選挙は三年間ないし、そのときは第三極も受け皿も存在しない。
だが、これは日本国民が選ぶであろう未来なのだ。三年後に再び政権交代が起こるのであれば、それは構わない。三年もあれば、与党に何か不備があったということなのだろう。今年という基準があるし、来年、再来年で判断してのことだから真っ当な理由である。私自身も三年後であれば、政権交代を望んでいるかもしれない。
しかし、今、政権交代が起こる理由は既得権益集団の策謀に引っかかる以外の理由は存在しない。
もっとも、大多数の国民にその意識はない。それは自己満足の正義感に陶酔しきって周りが見えないからだし、見えないくせに見えていると思い込んでいるからだ。
直撃して後悔しても遅いのだ。ところが日本人は直撃しても自覚しない場合もある。
それは70年前に証明されてしまっている。
歴史は繰り返される。結局、日本人は「戦争万歳」を叫んだ頃と本質は何も変わってなどいなかったのだ。
PR