眠っている時に得てして人は夢を見ます。
どんな夢かと問われれば大抵目を覚ました時には忘れてしまっていましてあんまり人に語ることはできないことでしょう。
が。
なぜか私は見た夢を覚えていることが多いだけでなく、何度かは夢の中で『これは夢だ』と気付いた上にその状況下で行動するという、凄いんだか精神異常者なんだかよく分からないことを平然と仕出かしている変わった能力(大袈裟)の持ち主であります。
そんな私は昨日、年にまるでサイクルのように廻ってくる悪夢にうなされました。
んまあ悪夢と言ってもその時々でシチュエーションは違います。
1)海岸線の近くにいればどういうわけか何度も何度も迫り来る波がどんどん高くなり広範囲となっていく津波に襲われます。
2)飛行機の爆音が聞こえたと思ったら、いきなりその飛行機から一筋の光が落ちてきて、なぜかそれが辺り一面を焦土と化す爆弾だったりすることもあります。
3)ある日突然、地上が疲弊して残りわずかで世界が滅亡するという噂が立ちまくり、気が付けばもうすでに自分の足元にその危険が迫ってきて、なぜか生き残った少ない人類と供に地球脱出を試みる自分がいたりします。
他にも火事モノとか孤独モノとか水没モノとか結構あるわけですが、とりわけ私の記憶に残る悪夢として一番強烈なのは『何か人間の姿をした化け物』に襲われるものであります。
今回もそんな夢でした。
誰かが『夢の世界は自分の思い通りにできる』と言っていることを耳にすることがあります。
実際にその通りで、夢の中では文字通り『自己中心』で強く念じれば何もかもが思い通りになります。
空を飛ぶこともできれば超常現象を引き起こす『超能力』とか『魔法』とかを操ることができます。
が。
時としてそれが『敵』をも生み出したりしますから困ったものです。
今回のシチュエーションは不死の化け物でDQのパペットマンの様な気色の悪い動きにも関わらずとんでもなく素早くてパワー満点のゾンビの様な化け物と戦う羽目となっておりました。
もちろん最初はどうしようもなく恐いのでなんとか逃げようとします。
ですが、空を飛ぼうが何かの物陰に隠れようが必ず見つかってしまって寸でのところで攻撃をかわすしかなくなり戦うしかなくなります。必死の思いで色々な魔法を使ってなんとかそいつを葬ることはできるのです。
ところが、やっとの思いでそいつを倒したというのに――
妙な達成感と安堵感を感じているというのに――
ちょっとだけ「これで終ったのか……」なんて思いが頭を過った瞬間、新たな似たようなそして前に倒した『敵』よりも強力な『敵』がどこからともなくまた襲ってくるのです。
しかも今度は、前に敵を倒した『攻撃』が絶対に通用しません。
そしてその新しい敵は必ず「ぐふふふ……その魔法を操る貴様さえいなくなれば……」とほくそ笑みながら私の首に手を伸ばしてくるのです。首を締め付けられる感触もあります。
なんとか振りほどき抵抗しようとするのですが、今度は魔法が発動しません。
シチュエーション的には『前の戦いで力を使い果たした』となっているのです。
てことで最後の手段!
「目ぇ覚ませぇ! 俺ぇぇぇ!」
とばかりに意識を夢の中で覚醒させて現実世界に戻ることによってその悪夢から逃れることがよくあります。
今回見た悪夢のように。
しかしまあこれが夢だからいいですけど現実とするともうどうしようもありません。
このような恐い思いは夢の中だけで留めたいものです。
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