今日は久しぶりにマンガオタクらしい話を。
と言うのも、週刊少年サンデーで好評連載中の高橋留美子先生の作品『境界のRINNE』にて、ついにメインヒロイン・真宮桜に対する恋敵かもしれない少女キャラが登場したからである。
まあ、主人公・六道りんねに対する恋敵に関して一度、フェイントが入ったので即断は禁物なのだが、今回のやり取りからすれば、今後、真宮桜の恋敵になる可能性はあると思っている。
ちなみに私は恋敵役に関して言えばかなり否定的で、なぜかと言えば、このタイプのキャラクターが登場すれば主人公ないしヒロインが必ず傷つく羽目になるからだ。マンガと言えど人の心が傷つくのは見たくない、というのが根底にあって、それが主人公だったりメインヒロインだったりすると余計にその気持ちは強くなる。
ところが、高橋留美子先生の描く恋敵と言うものには一つ特徴があって、主人公に対する場合と、ヒロインに対する場合で、その取扱いに雲泥の差が生じていて、主人公はボロ雑巾のように傷つくことはあっても、ヒロインが傷つくことは決してない。これは先生が女流作家だからなのかもしれないが、とにかくヒロインは手厚く保護される。
『うる星やつら』は元々のメインヒロイン役を途中がから変更したので性格設定が変えられなかったのでまだマシではあったが、『らんま1/2』で顕著化したと言っても過言ではない。アレは酷過ぎた。『らんま1/2』自体は嫌いではないが、恋敵に関するお話については本当に吐き気がするくらい嫌だった。あんなヒロインだったら主人公は絶対に他の女に乗り換える。しかし、高橋留美子先生の描く主人公はとってもヒロインに一途でどれだけ傷付こうが決して、ヒロインに当てつけることは無い。特に酷かったのは、主人公・早乙女乱馬に対する恋敵・響良牙が変身する子豚がメインヒロイン・天道あかねに抱かれていながら、天道あかねに対する最大最強の恋敵・シャンプーが変身する猫を早乙女乱馬に抱かせなかったことだ。それも猫恐怖症という猫嫌いという設定にしてあったものだからこんな卑怯なことはない。
それは『犬夜叉』にも受け継がれていて、ひょっとしたら今回は違うんじゃないかと期待した桔梗という、メインヒロイン・日暮かごめに対する恋敵でさえも、結局は恋敵にしなかった上に、なんと物語の途中であれだけ最重要キャラクターであったにも拘らず死なせたのだ。
いい風に解釈すれば、先生は日暮かごめ、桔梗の両ヒロインにどっちも捨てがたい愛情を抱いたので犬夜叉にどちらを選ばせるか決めかねたのかもしれないが、アレは無い。一番、卑怯な別れ方で、『タッチ』において、あだち充先生は否定するだろうけど、決めかねたから途中でキャラを死なせるという手段に出たとしか思えなかった。
その割には『らんま1/2』にしろ『犬夜叉』にしろ、主人公に対する恋敵はかなりの役得扱いになっているし、ヒロインに対する恋敵が登場した時に限り、周りは皆、主人公を敵視する。あの落差はなんとかならないものだろうか、といつも思っていたわけなんだけど、今回の『境界のRINNE』は今のところ、これまでとは違っていて、少し期待しているのだ。
何と言っても、六道りんねに対する恋敵・十文字翼は今のところ、完璧なまでのピエロ扱いだ。登場こそやや、二枚目風で六道りんねがモヤモヤした場面はあったが、以降、完全に三枚目役で背景になっているし、真宮桜に触れることさえほとんどない。ついでに、どこかで六道りんねをフォローする場面さえ見られる上に真宮桜も今のところ、六道りんねをかなり優先的に見つめているのだから、これは今までのるーみっくわーるどにはなかった傾向で見ていて面白い。もっとも残念ながら、六道りんねは真宮桜に対する恋心に気付いているのだが、真宮桜は今のところ友達以上でしかない。
そんな中で今週号で登場したのが、
鳳という主人公の設定とよく似た女の子だ。
これは本気で楽しみで、まだどんな性格なのかは分からないけど、はたして本当に高橋留美子先生は変わったのか、それとも今までと変わらないのかの試金石となるはずである。
もしかしたら今回のファーストコンタクトだと六道りんねは(恋心で無いにしろ)
鳳という少女に好意は抱くだろう。セカンドコンタクトにおいて笑顔で語りかける可能性は高いし、
鳳も事情を知った上で六道りんねを味方につけようと行動する気がする。
それを見た真宮桜がどう反応するかに興味がある。
『らんま1/2』や『犬夜叉』ではメインヒロインは主人公に当てつけて不貞腐れた。今回はどうだろうか。不貞腐れるのは当然として、いやしかし、あの天然級の鈍さではもしかしたら最初は気付かないかもしれない。
そこを高橋留美子先生がどう表現するかである。
とにかく、ここまでは明らかに違う主人公とヒロインの二人だ。
しかも六道りんねは巻き込むことを憂慮して真宮桜に想いを打ち明けれらないでいる気持ちが先週号で表現されてしまっている。
さて、来週以降どうなるか。
本気で違うところを見せてほしいのだが、何せ、あの高橋留美子先生である。
半信半疑で見ることは必要だろう。
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