最初に断っておきたいのは、私は小沢一郎という人物に一度も直にお会いしたことが無い、ということです。これから書くこともはっきり言って聞きかじりからの私なりの人物評です。
んで、どうしてこの時期に小沢氏について語るんだ?と問われれば、まあ単純に、小沢一郎という人がどんな人なのかを考えてみようと思うきっかけがありまして、最近の新聞誌上を賑わせているからでございます。
世間的には『コワモテ』だの『壊し屋』だの『権力欲の権化』だの『選挙に強い』などという評価が一般的でございますが、はたしてそれがすべてなのかどうかということです。
まず『コワモテ』はある意味仕方ないですね。生まれもった姿ですからそれを悪く言うのは良くないでしょう。性格は顔に出る、と言われますけど、実際、直に話したことも会ったこともない人を『顔が悪いから』で判断するのもどうかと思いますからね。まあ、何にでも例外はありますが、それを今回は触れるつもりはないので、あの口のひんまがったマンガ脳ジジイのことはおいておきまして。
おそらく小沢氏を表す言葉として、一番有名なのは『壊し屋』でしょう。
事実、私も昔はそういうイメージを持っていました。
でも、現実として小沢氏が『壊した』ものって何でしょう? 私の記憶しているところでは自由党だけで、16年前に日本史上、たった一回だけ非自民政権が誕生しましたけど、それを壊したのは小沢氏じゃなくて自民党、官僚、マスコミによる細川氏への執拗なネガティブキャンペーンだったはずですから何で小沢氏が『壊し屋』という異名を取っているのかが分からなかったりします。
で、最近よく聞くようになったのは『権力に執着する』とか言ったことで、たとえば今度の選挙で民主党が勝ったとしますと百人以上誕生すると言われている民主党側の新国会議員は小沢氏のもとで一年ほどみっちり英才教育を受けることが決まっているらしく、それが民主党最大派閥となって権力を握り、小沢氏の発言力が増し、鳩山氏の言うことを聞かなくなる、とか前原派を黙らせるため、とか警鐘を鳴らす新聞が多々ある訳ですけど、これも本当かなぁ?と私なんかは思う訳ですね。
だって、これだけ剛腕で名高い小沢一郎が本当に権力に執着しているなら別に弱小党だった民主党に合流せず、自由党を自民党に併合させて幅を利かせているでしょうし、とっくに総理大臣になっていてもおかしくない人で、でも代表を渋ったり空中戦しか知らなかった民主党に選挙戦略や政治のやり方を教授している姿を見ると権力よりも党を一人前に育てようとしているとしか見えなくて権力なんてどうでもいいんじゃないかとさえ映ります。単に祭り上げられているだけで本人は元々、党首どころか総理大臣にさえなるつもりは全然無いような気がしてなりません。
選挙に強い小沢一郎――
これはもう疑いのない話で、2006年の民主党代表就任以来、不利と言われた選挙をひっくり返し、2007年の参院選でついに世間的には民主党にも政権能力があると思わせて、それ以降も、秋田と千葉を除く選挙で連戦連勝してくる民主党を作り上げたのは紛れもなく小沢一郎の教育の賜物でしかなく、今回、自民党が敗北しようものなら、今頃、重鎮たちは「小沢一郎を手放すべきではなかった」と後悔することでしょう。
という風に見ていけば、小沢一郎という人物は、なんとも分かり辛くて、世間的に言われているように『怖い人』なのかどうかが判断できません。
ましてや、こういう記事もありますし。
自民党を震え上がらす これが小沢選挙だこれが本当だとすると小沢氏と直に会ったことが無い私のような人たちは、あまりにテレビや新聞の報道する小沢一郎像を植え付けさせられているな、と思う訳で、麻生とか小泉とか、極端な話、鳩山由紀夫氏や岡田克也氏といったテレビ受けする連中よりも、この小沢一郎という人に直に会ってみたいという欲求が生まれるんですよね。
いったい、どの小沢一郎が本当の小沢一郎なのかと。
もっとも残念ながら今のところ、その機会はまったく無いのでありますが。(^^;)
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