今日の午後4時、ついに日本の総理大臣が公のフルオープン記者会見を敢行した。
http://ow.ly/1r5xK1時間という長丁場ではあるが、印象的には丁寧に答えていたし、これまではまったく聞こえてなかった首相の声がようやく自分の耳に入ったことは喜ばしいことだと言えるだろう。
そして、同時に、これで既得権益集団である大手新聞テレビの政治ニュースは見る必要がなくなったことが何よりも有意義なことである。
午後8時30分ごろに配信された時事通信の『郵貯限度額、修正に否定的=30日の結論目指す-鳩山首相』が勝手に作られた憶測だってことがバレバレになることにより、既得権益メディアの馬鹿っぷりも同時に確認できるから実に痛快である。
現時点では結論が出ていないわけで、肯定も否定もできないのが当然なのに、答えを濁したことで否定だってのは完全に憶測ミスリードだ。少なくとも会見を見た人間であれば、そんな風に考える人と考えない人の二通りができるので、是々非々が用いられているから、これで国民もどんどん賢くなれる。
確かにまだまだ不充分だし、鳩山首相も「記者クラブと相談する」なんて呑気なことを言っていたから、完全に情報公開されるにはもう少し時間がかかるだろうけど、何もやらないよりははるかにマシだし、首相の声が聞けることによって事実を知ることができることを国民が認識すれば、情報公開の声が高まるので、いずれ全面開放される運びになるのは明白だから、今日の第一歩は歴史的に見ても相当重要なことだと思う。
何と言っても、これまでは編集と憶測オンパレードの報道だっただけに、事実すら見えなかったのだから、首相の声を聞くことにより、現時点の一番正しい情報が得られるのだから、これほど素晴らしいことはない。
んまあ、「素晴らしい」なんていってる時点で忸怩たる思いを抱かないこともないけど、今まで無かったんだから仕方がない。本当に日本の常識は世界の非常識だ。
そして、これで首相の発言の重みは相当増す。むろん、国の代表なんだから発言に重みがあって然るべきなんだけど、大手マスコミ伝いで聞くのと直に聞くのでは訳が違う。直に聞けば国民が発言を覚えているのだから撤回は許されないし、そんなことをしようものなら、一気に支持を失うのは明白なんだから、今までとは格段に違う重たさを背負うことになる。
これまでの自民党のボンボン首相どもは、これが怖くて記者会見をオープンにできなかったが、民主党のボンボン首相は怖いもの知らずなのか、それとも覚悟の上かは判断しかねるにせよ、最初の一歩を踏み出したのは偉業と言えるだろう。
そして同時に、大手マスコミの馬鹿さ加減もよく理解できた。途中からは、さすがに少し恥ずかしくなったのか、進退問題に関する質問はなかった。特にインターネット新聞の、本当の意味での支持率低下質問の後は、少しだけマトモな質問になっていたけど、それまでの献金だの参院選だの普天間基地移設問題だの質問をするのかと思えば、それをすべて進退問題の質問に繋げようとした問いかけには本当に馬鹿だった。海外記者も居るのによく恥ずかしげもなくあんな質問ができるものだと逆に呆れて感心したほどだ。何処の民主主義国家に、国民が選挙で選択した政権に対して「さっさと辞めろ」などと抜かす記者が居るだろうか。それさえも分かっていないお馬鹿記者の救いの無さを垣間見れて本当に有意義だったと思う。
さて、そんな記者会見の中で鳩山首相は重要な発言をした。沖縄普天間基地移設に関して「極力、県外移設」と明言したのだ。これは、大手メディアの出鱈目フィクション憶測をひっくり返すことである。なぜなら普天間基地移設問題は国防事項で、その最大責任者は総理大臣である鳩山氏なのだ。その鳩山首相が「極力県外」と発言したのだから、日本はこの方針で動いていることの証明であるし、これが事実なんだ。そして極力とは『力の限りを尽くすさま。できる限り』という意味である。麻生じゃないんだから知らないとは言わせない。これで沖縄県の皆さんも、ちゃんと会見をノーカットで見たなら、相当、安堵したのではなかろうかと思う。私的には首相が「本土の皆さんにも沖縄の人たちの負担を知ってほしい」と言っていたから、本土移設も視野に入っていると見てもいいかもしれないとさえ考えている。本土の国民の7割くらいは「アメリカが日本を守っている」という幻想を抱いているのだから、自分の居住地が移転先になったときは万歳三唱で迎えてやれよな。私はアメリカが日本を守っているなんて蟻の触角の先も思っていないんで中指おっ立てるけどな。(笑)
今回の記者会見は第一回だったから記者クラブ以外の日本メディアからは御礼と今後の記者会見のあり方に対する質問だったので、次回以後に期待、と言ったところだろうか。海外記者は、フルオープン記者会見が当たり前なので、ちゃんと質問をしていて、おそらくお礼を言うこと自体、日本のメディアに対して唖然としたのではなかろうかとさえ思う。ただ、フリーランスの質問の「平野官房長官は辞めさせろ」発言は、正直言って吃驚した。確かに平野官房長官は無能ではあるけれども、辞任要求は大手メディアと変わらない発言であることに気づいた方がいい。
次回以降も当たり前のようにフルオープンで開催されると信じたいところであるし、もっと枠を広げてほしいとも思うが、記者クラブのお馬鹿たちが、自分たちの程度の低さを、曝け出したくないので、抵抗する可能性は大いにあり得る。
願わくば、鳩山首相には定例会見として岡田大臣のように週二度は無理でも、小沢幹事長のように週一度はフルオープンの会見を開催してもらいたい。記者クラブが抵抗するなら、亀井大臣のように二回やってでも開催してほしいものだ。
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