ときどき、自分は凄いなぁ、と思うときがある。
それは誰しもが感じることだろうけど、自分の予想通りに物事が流れていく時に、図らずも思ってしまうことだろう。
私は一年前に『日本人は70年前と同じだ』と主張して、現在、あの『大政翼賛会』が復活しようとしているし、
参院選の時に、『管は最初から勝つ気がなくて民自連立の為の敗北だ』と書いたけど、『大連立』という名の『大政翼賛会』が形成されつつある。
同じ時期に、「これでインターネット規制法ができる」、と言ったんだけど、現実、今国会でインターネット監視法が成立したし、福祉が全て破壊されるとも言ったけど、その通り、子供手当てや高校無償化の存続も怪しくなってきた。増税についても触れたけど、復興という名の下に色んな増税案が目白押しである。
んで、こうなったら、日本は底なし不況に陥る、と言ったわけなんだけど、予想した理由とは違ったが、想像した原因によって、はてさて、どうやらその通りになりつつあるようだ。
こんな想像は当たってほしくなかったんだけど、去年の夏の時点で見えていたんだから仕方がない。震災復興のための大連立なんて大嘘だ。元々、大連立をやりたかったくせになかなかきっかけがつかめなかっただけで、菅執行部と自民党はいい口実ができたとしか思っていないことだろう。
さて、そんな私が判断するのだが、震災が原因の不況だ、と、思っている人は大間違いである。
確かに震災によって、“いっとき”経済が停滞するのは至仕方ないとは思う。それは私も認める。しかし、長期化する可能性は無いと考えている。
それは1995年の阪神大震災のときもそうだったわけなんだが、実のところ、(バブル破綻の影響はあったにせよ)震災後も1997年4月に消費税のパーセンテージがアップするまでは景気は悪くなかったのである。
つまり、どんなに酷い震災だろうと、それから数ヶ月で立ち直れるものであり、長期化することはまずあり得ない、はずなのだ。
2004年の新潟沖地震や2007年の新潟中越地震、2003年にも十勝沖地震と、案外大きな地震は頻発しているわけだが、その全てが不況の原因となったことは一度もない。
そもそも、不況とは人災であり、それが天災でもたらされることは無いのである。
ところが、ここは世界中でもっともお馬鹿が集う日本という国である。
特に最近は、どうもポピュリズムに走りがちな傾向があり、冷静な判断を出来る人がいなくなったのか、新聞テレビという悪しき既得権益集団の扇動に引っかかって、なぜか震災が原因で不況になると思い込んでいる人が多い。
結果、国土で言えば、被災地域は限定されているし、被害が小さかったり、被害が無かったりしている地域も多々あるのに、国中で過剰とも言える自粛や無意味な節電が方々の現在の指導者の立場にある人間主導で行なわれてしまっている。
自分たちの生活源を破壊してしまえば、不況になるのは当たり前の話で、自分たちで不況を作ってしまっていることに気付いたらどうかと思うのだが、そんなことに頭が回る輩は少ないらしい。
それと例の福島原発だ。
あれも天災によるものだと思っている人は、さすがに少なそうではあるが、こと、放射能漏れが起こった原因だけみれば、津波によるものだと持っている人は多い。
もちろん、現実は違う。
原発が津波を被った時点では、まだなんともなかったのである。
ついでに言うなら、実際に揺れが来た時もなんともなかったのである。
緊急停止はしていたが、その後の処理さえ間違わなければ、被害が拡大する可能性は低かったのである。
それは、新聞テレビ以外の情報発信者や海外メディアの一致した見解なのだ。
何しろ爆発があったのは、震災翌日の3月12日の昼過ぎ。
もうこれだけで、今回の放射能漏れと地震や津波が直結しないことを分かりそうなものなのだが、もちろん、分からない輩はたくさんいるのが日本である。
とまあ、とかく日本人は騙されやすく、しかも救いが無いことに、「自分は騙されていない」と、一つの事柄に対して何の検証もせずに、鵜呑みにするから、どんどんどつぼに嵌っているわけなのだが、これと同じことが今から、70年前にあったのに、そのときと今が何が違うのかを、少しは自分で検証してみた輩はどれだけいるだろうか。
んまあ、周りはほとんど皆無。無関心か新聞テレビを鵜呑みにするかの二つに一つだ。
70年前と今の状況と何が違う?
と、問いかければ、たいていの人は、あの時とは違う、と自信たっぷりにのたまうことだろう。その根拠は戦争を経て、当時の反省をしているから、と言うのだろうが、この時点で、その人は自分が馬鹿であることを曝け出している。
実のところ、今回の春の番組改編で、テレビやラジオから、東電や政府に対して、理論的に正論を述べる人材の大半は番組を降ろされ、残ったのは単なる(巷では御用学者と言ってるが)大根役者と太鼓もちの連中ばかりになったのだが、それにちゃんと気付いているのだろうか。
芸人である古館やみのもんたニュースキャスターとして相応しく見えるものなのだろうか。
つまりは70年前と同じで、政府や大企業、官僚にとって、都合の悪い人たちの情報は一切遮断され、一方的な情報のみが、新聞テレビを通じて刷り込まれているわけなのだが、これで70年前と違うと言い切れる辺りに呆れてしまう。
70年前は、戦争万歳に走ったわけで、ちなみに今回は何かと言うと、増税万歳だろう。
政財官の懐をせっせと暖める為に、国民一人一人が私財を投げることを良しとする風潮を形成されつつあるのに、気付かないんだから、お題の風潮的には目指すものが違うだけで、状況的には70年前と同じだ。
消費税増税は絶対に財政再建にも社会福祉にも復興支援にも繋がらない。大企業の法人税を下げる為の穴埋めに過ぎない。現に消費税が導入されてから210兆の税収があったのに、170兆の法人税減税が税収を圧迫しているのである。ちなみに残りの40兆は特別会計とアメリカ国債に消えている。加えるなら、何故大企業が消費税増税に賛成なのかといえば、海外取引に消費税は掛からないからである。知っての通り、日本は輸出大国だ。それも大企業が大半で、つまりは大企業は売上の大半は消費税を掛けても、その消費税は払う必要が無いし、仕入先を日本企業にしてしまえば、仕入に掛かった消費税を取り戻すことが可能なのである。だからこそ、現在、消費税は内税方式になっている。便乗値上げ促進のからくりはここにある。
んで、増税はそのまま政治家や官僚の給料UPに繋がるものだ。
消費税が財政再建や社会福祉なんてのは大嘘だという理由はここにある。でも、大半の日本人は『消費税』の仕組みを少しも検証しないから、この現実に辿り着くことはない。難しいから、とか、専門外だから、ではなく、消費税を他の税金との兼ね合いを見比べれば分かりそうなものなのだが、とかく日本人は木を見て森を見ず人種だから絶対に気付かない。調べるのが億劫なら、インターネットで探せばいいのに、それすらもしようとしないで知った気になっている。
これが一例なんだけど、本当に70年前と今は違うと言えるのか?
似たような報道は、それが事実だから、なんかじゃなくて大本営発表だからってことなんだけど気付いているのか?
事実ってのは是々非々をもって多くの角度から見ることを言うんだけど、そうなっていると思えるのか?
70年前と同じ歴史をまた繰り返すことになりそうだが、いったい、日本人はいつになったら自覚するのだろうか。
たぶん、破滅のそのときまで気付くことは無いのだろう。
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