3月11日の東日本大震災から5日が経過した。
物不足、水不足といった現象が、震災被害のなかった私の居住地・石川県にまで押し寄せている。
そりゃ確かに、被災地は物不足に困っているだろうし、生活にも不便な思いをしていることだろう。
そちらに回す救援物資があってもおかしくないし、向こうからこちらに出荷するのも難しいことは認める。
たとえば、今日発売予定の週間少年誌は入荷されなかったこととか。
しかしだからと言って、何で、石川県に住む人たちまでもがパニックに陥っているのだろうか。
言っておくが、この地域は、ちゃんと電気も通っているし、蛇口を捻れば水も出る。
放射能に汚染されているわけでもなく、都会の水に比べれば、水道水でもはるかに美味しいし飲むことも可能だ。
それなのに何故か、コンビニやスーパーでは『水』が姿を消しており、懐中電灯を中心に非常グッズも底を付いている始末であるし、トイレットペーパーや灯油を中心に買占めまで起こっている。しかも奇怪なことに、食料品売り場で不足しているのは『水』だけなのだ。他の食品、カップ麺とか缶詰とかは普通に大量に置いてある。
本気でアホかと言いたい。
被災地や首都圏住まいの人なら、まだ理解できる。
これから、(絶対に避難したほうがいいと思うのだが)何日も自宅待機が命じられるかもしれないし、計画停電や計画断水なんかもあるだろうから、備蓄のためには、ある程度やむを得ないと思う。
しかし、この石川県は今のところ、何も起こっていない。何も起こっていないのに、どうして、『備蓄』に走る必要がある?
食料品売り場から『水』以外のものが消えたなら、それは来たる災害のための備え、と、まだ思えないこともないが、それにしたって馬鹿過ぎる。
『こうしている今』~『いつ起こるか分からない』という災害を想定して行動して何になる?
「起こってからじゃ遅いじゃないか!」と憤慨する人が多々いそうで、呆れてしまう。今の心意気をこれからずっと抱えて生きていくなら賞賛してやるが、そんな訳がない。
どうせ、一週間から十日ほど過ぎて、今、向こうで続いている余震が収まれば、また、普段の生活に戻るのだ。
今の自分のパニック状態を忘れて平常に戻るのだ。
んで、パニック状態に買い込んだモノに振り回されて立ち往生するのだろう。
まったく持って馬鹿の集まりである。被災地ならまだしも、今はまだ、何も起こってない地域で、この状態でパニックになってしまっていたら、いったい、本当に災害が起こったらどうなるのだろうか。
本気で、「もっと冷静になったら?」とツッコミを入れたくなる。
特に『水』に関してなんだけど、今日、複数のお店で聞いたら、どこもかしこも「被災地に送るので買っている地元のお客が多い」という答えだったので、石川県民の頭の悪さに眩暈がした。
もう一度言うが、今現在、石川県はちゃんと『水』が出るし、水道水でも充分飲める。
何で、『飲み終わったペットボトル』を洗って水を入れよう、という発想が無いのだろう? その気になれば、店で買うよりもはるかに安価で、大量の水を送ることができると思うのだが、どうも、そこに辿り着いている人は居ないらしい。
あと、急に節電を始めた店舗も多い。
なんだか経済産業省から通達が来たそうだけど、力いっぱい騙されちゃいないか?
石川県の基本は北陸電力。んで、その北陸電力からは「今のところ、計画停電は考えておりません」と、ご丁寧にウェブ上で貼り出されている。
理由は、北陸電力から東京電力に電気を供給できるシステムになってないからだそうで、ちゃんと調べてから行動した人はどれだけいたのだろうか、とさえ考える。
んで、素直にこう言って、神経質になる必要は無いんじゃないか?と進言したら、何故か周りはヒステリックになって私の考え方を否定した。
事実をありのままに伝えているだけなんだけど、ねぇ?
別に節電は悪いことじゃないと思うよ。地球温暖化を防ぐとか家計を助けるとかクラッキング火災を防ぐとかいう観点で考えれば、だけど。
でも、石川県だよ? それも片田舎だよ? 夜の11時過ぎに電気が点いているのはコンビニか飲み屋か外灯くらいだよ? 消費電力は首都圏の1/100以下だよ?
そんな地域で神経質に節電したって、その分が東京電力に回るわけでもないし、何の意味がある?って、考えるんだけどね。
同じように、県内のほとんどの行事が中止になった。被災地の人たちに悪いから、って、思い込んでそうなったらしい。
これと同じようなことが被害が無かった日本中で起こっているらしいけど、おかしくないか?
ただでさえ、震災の関係で、これから日本は不況期に陥ると言われている。まあ、さすがにこれは私も間違いないと思う。
でも、だからと言って全ての行事を中止にする意味は無いだろう。そんなことをしたらますます日本中が暗くなって不況の底なし沼に嵌ってしまうよ。
しかも、今の日本政府は菅と言う大ボケがやっているわけで、早速、この震災を悪用して、やれ消費税増税だの、子供手当て、高校無償化、高速道路無料化を凍結しようとしている現実があるわけで、ちゃんと、考えないとでっかい落とし穴に落ちるんだけど?
これも言ったら否定された。被災地じゃ困っている人たちがたくさんいるのに、何を自分だけ楽しようとしているんだ、と。
そうかぁ?
否定した連中こそ、もっと冷静に考えた方がいいんじゃないか?
今現在、日本は1000万人が年収200万以下のワーキングプアで、3割が年収300万以下。んで、平均の年収も400万台まで下がっている。
んで、子供手当てと高校無償化が制定された代わりに扶養控除は廃止されたんで、今年から所得税は子供一人につき年間38,000円(年間所得330万以下なら19,000円)増税になることが決まってるし、社会保障料もまだ増加傾向にある。その上で、消費税がアップされて本当にやっていけると思っているのか?
子供手当てや高校無償化は少子化対策だし、高速無料化で流通費用軽減による景気回復効果が期待できる施策だ。
それを放棄したら、ますます少子化は進むし、景気悪化も加速する。
しかも、日本政府だよ? 鳩山政権時代ならともかく、今の菅政権は21世紀の自民党政権と同じなんだよ?
暫定とか時限立法とか言ったって、延長延長でなし崩しに恒久化されるのは目に見えてるじゃない。そんなことも分かんないの?と本気で思ったよ。
こういうのを、被災地の人たちと思いを共有したいというその場限りの自己満足という。
それだったら山ほど救援物資を持って被災地に行けばいい。そっちの方がよっぽど感謝されると思うけどな。
まったく無傷の地域で現場も知らない人間に「私たちもあなたちと同じで色々我慢してるんだよ」なんて姿勢見せたら、逆に
顰蹙と怒りを買うんじゃないか?
加えて、生活が破壊される未来は無視ってんだから、あまりの思考回路の欠落振りに辟易する。
てことで、ここ数日の石川県内の動きにはとことんうんざりしている私だ。
(言い方は悪いが)数百万人を救うために、数千万人の生活が破壊されていいものだろうか。
ついでに言うなら、消費税アップは当然被災住人にも及ぶ。
今回の震災は確かに酷いものであることは認めるが、だからと言って、それだけに目を奪われて、本当に大切なものを失うことに気づいた方がいいと思うのだが、どうやら、そういった考えは微塵も無いらしい。
あとで泣きを見ても知らないぞ、と言いたいけど、そこには私自身も含まれる。
本気で日本国民の馬鹿さ加減には反吐が出る。
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